米国の個人消費の冷え込みや雇用情勢の悪化など、米国経済の景気後退感の強まりを背景に、円相場は一時12年5ヶ月振りに1ドル100円台を突破。原油・原材料高騰と年明け以降の株安傾向の中での円高は、企業収益の伸び悩みをもたらし、3月の日銀「短観」でも企業の景況感の悪化が鮮明となり、国内景気の下振れリスクが強まっている。
そこで、八戸地区の1〜3月期の中小企業(379社)の景気動向をみてみると、前年同期比売上高DIは△21.4%と前期より0.6ポイント改善がみられた。しかし、内容をみると「横ばい」と回答した企業割合が3割近くまで上昇するなど、地区景気の停滞感が強まっている。
また、八戸地域の産業活動に目を向けると、大手素材産業やIT関連産業の一部では生産水準を引き下げたものの、概ね順調な操業が続いている。
鉄工業界では、鉄骨工事の新規受注は地区外からの受注を中心に、受注残高はほぼ前年並みを維持している。また製缶工事は、手持ち工事高は依然高水準を維持し、概ね順調な稼動状態にあるが、原材料などコスト上昇傾向の強まりから、採算性確保に懸命な対応がうかがわれる。
建設業界は、官公庁工事は年度末を迎えるも、受注状況は前年を下回り、民間設備関連工事についても一部に大口受注がみられたが、低調な受注状況が続いており、業況の回復感に乏しい。また住宅建設は、貸家着工が3ヶ月連続で前年を上回ったが、持家は景気回復の実感の乏しさを反映してか伸び悩み状態にある。
水産業界では、八戸港の水揚げは太平洋アカイカの好漁とトロール漁の順調な水揚げが続いたことから、年累計で数量、金額とも前年を上回る実績となった。
一方、水産加工は、「食の安心・安全」志向の高まりのなか、イカ加工品は生イカ漁が端境期に入ったことから好調な動きとなったほか、一次加工品を手掛けるイカ専門の中小加工業者の順調な生産活動が続いた。また、サバ製品については、一服感が感じられる荷動きとなった。
個人消費は新生活需要期を迎え、家電製品や家具関連に動きがみられたほか、春間近を思わせる陽気に誘われ、春物衣料も本格的に動き始め、大型小売店(6店)の売上高は前年比2.4%増と9ヶ月振りに明るさを取り戻した。
このように、一部に明るさがみられたものの、今後の物価の動向によっては、景気の停滞の強まりが懸念される。
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